「友なき者の友」

 お元気ですか? 明智信作です。新約聖書の中に、ザアカイという人が出てき ます。彼はユダヤ人でしたが、同国民から税金を取りたて、ローマ帝国に治める 取税人でした。この仕事は、ユダヤ人から、最もいみきらわれていました。聖書 は、このザアカイが取税人のかしらで、金持ちであった、と記しています。彼は 税金の取り立てにおいては、有能な人物でした。金はたまりました。しかし、心 を開き、信頼してくれる友達はいませんでした。だれも、彼と友達になることを 望みませんでした。いくらお金があっても、友達がいない、温かい心の交わりが ない人生は寂しいものです。彼は孤独でした。こんなザアカイでしたが、わたし は、このザアカイに親しみを感じるのです。なぜなら、聖書はザアカイについて、 「背が低かった」と記しているからです。信仰をもつ前、わたしは自分の背が低 いことで、劣等感を感じていました。高校生の時、私は背が伸びる薬というのを 雑誌で見つけ、母に頼み込んでその薬を買って貰ったことがありました。結局効 果はなかったのですが、背が低い、ということだけでも、セルフ・イメージが低 くなることを、私は体験しました。ザアカイだってこのことで悩みもし、また劣 等感を感じたに違いありません。ザアカイは取税人のかしらです。仕事は有能で したが、彼の仕事は有能であればあるほど、金がたまればたまるほど、人から嫌 われるのでした。ザアカイの家には、だれも客となる者がいませんでした。出入 りするのは、せいぜい仕事仲間くらいだったでしょう。しかしキリストは、木の 上からご自分を見ていたザアカイに「ザアカイよ、急いで下りてきなさい。きょ う、あなたの家に泊まることにしているから」と声をかけられたのです。キリス トは、ザアカイを愛する故に、友のいないザアカイの友となり、その一晩の交わ りによって、ザアカイは救われたのです。キリストは、今も、友なき者の友であ ります。キリストの目には、どの魂も尊い存在なのです。キリストは、無条件に あなたを愛しておられます。
                             (by 明智信作)