「この女はできるかぎりのことをした」
お元気ですか? 明智信作です。新約聖書に、ナルドの香油をキリストの注い
だマリヤという名の女性が出てきます。キリストの母マリヤとは別の人物です。
当時、ナルドの香油は非常に高価なものでした。彼女は、大きな犠牲を払って、
この香油を買っていました。その頃、多くの者が、イエスは王の位につかれるの
だと宣言していたので、マリヤは自分が真っ先にイエスに尊敬を示したいと切に
願ったのでした。そして香油の壷を割って、油をイエス様の頭と足に注いだので
す。それから彼女は、泣きながらひざまずいて、その涙でイエスの足をぬらし、
長くたれた髪の毛でぬぐったのでした。当時のパレスチナでは、立派な婦人は髪
をくくらずに公の場に出ることは決してありませんでした。そうすることは不道
徳な女のしるしでした。
しかし、マリヤはそんなことには考えも及びませんでした。彼女の心には、自
分の罪を赦して下さったキリストへの感謝があふれていました。自分の罪の深さ
を知っていたので、キリストのゆるしの大きさがそれだけ深く、強く感じられた
のです。マリヤは多く赦されたことを体験したので、それだけキリストを深く愛
さないでいられなかったのです。このマリヤについて、新約聖書は、
「イエスは以前に、この女から七つの悪霊を追い出されたことがある。」
と書かれています。
マリヤはイエスと出会って、自分を知り尽くしてもなお、愛し、信頼してくだ
さるお方がいることを発見したのです。マリヤは無条件に愛して、丸ごと包んで
下さるイエスに出会ったのです。その結果、マリヤはイエスのために惜しみない
献身をする女性に変えられました。彼女の信仰と愛と献身が、イエスに注いだ高
価なナルドの香油に表されています。他の弟子達は、ムダ遣いだと言って彼女を
責めましたが、イエスは、
「なぜ女を困らせるのか。わたしによい事をしてくれたのだ。この女ははできる
かぎりのことをしたのだ」
と言って、彼女の行為を喜ばれました。イエスの為にすることは、どんなことで
もイエスに喜ばれるのです。決してむだになることはないのです。
(by 明智信作)