「神の恵み」

 お元気ですか? 明智信作です。聖書の中には、神の恵みを教える実物教訓を、 いろいろなところに見いだすことができます。今朝は、メピボセテに対するダビ デ王の態度から、神の恵みがどんなものであるかを、ご一緒に学んでみたいと思 います。

メピボセテという人はどういう人でしょうか。サムエル記下、4:4にはこう書 いてあります。

「さてサウルの子ヨナタンに足のなえた子がひとりあった。エズレルからサウル とヨナタンの事の知らせがきた時(新共同訳、訃報)、彼は五歳であった。うば が彼を抱いて逃げたが、急いで逃げる時、その子は落ちて足なえとなった。その 名はメピボセテといった。」

 ここに記されているように、メピボセテは、イスラエルの最初の王であったサ ウルの孫であり、ダビデの親友ヨナタンの子でした。ダビデは、サウル王に憎ま れ、何度も命を狙われた事がありました。ダビデが一番危機にさらされていた時、 ダビデの命を救うと誓い、友人にその見返りとしてひとつのことを頼みました。  サムエル上、20:12ー17下には次のようにしるされています。

「どうぞ主が父と共におられたように、あなたと共におられますように。もしわ たしがなお生きながらえているならば、主のいつくしみをわたしに施し、死をま ぬかれさせてください。またわたしの家をも、長くあなたのいつくしみにあずか らせてください。主がダビデの敵をことごとく地のおもてから断ち滅ぼされる時、 ヨナタンの名をダビデの家から絶やさないでください。どうぞ主がダビデの敵に あだを返されるように。」

 そしてヨナタンは重ねてダビデに誓わせた。彼を愛したからである。ヨナタン は自分の命のように彼を愛していた。ヨナタンは誓ったとおりに、ダビデをサウ ル王の殺意から救います。ダビデもまた王となったとき、ヨナタンとの誓いを果 たします。

 ダビデにとって、一番危険な時に、ヨナタンのおかげで命が助かったことは、 心にしみる思い出であったにちがいありません。この瞬間を何年も後にたびたび 思い起こしたにちがいありません。王として、宮殿の屋上に立って安全なエルサ レムの町を見おろしているとき、あるいはダビデがよろいを身にまとい、優秀な 軍隊を視察するとき、感謝の念に圧倒されることがあったにちがいありません。 「ヨナタンに命を救ってもらわなかったら、このすべては起こらなかったのだ。」 そう思ったのではないでしょうか。だからこそ、ダビデは、サウルの家の人で生 き残っている人に恵みを施そうとしたのでした。その恵みを受けたのが、ヨナタ ンの子、メピボセテでした。メピボセテはダビデに対して特別な貢献をしたわけ ではありません。だからこそ恵みなのです。

恵みとは、受ける価値のない者に一方的に無償で与えられるものです。
(by 明智信作)