「神の一方的な恵み」

 お元気ですか? 明智信作です。ダビデの命をねらっていたサウル王が戦死し、 時代が変わってダビデが王となったとき、ダビデ王は、ダビデの親友、サウルの 子ヨナタンに命を救ってもらった恩を忘れず、またヨナタンとの誓いを覚えて、 サウルの孫、ヨナタンの子メピボセテに恵みを施し、彼を王の食卓につかせ、王 の子と同じように扱ったということを今までに語ってきました。

 メピボセテは、ダビデ王に対してそうしていただくにふさわしいことは何一つ していませんでした。彼は、両足がなえていたので、このような特別な扱いを受 けている間にも、ダビデ王のために、何一つ益となるようなことをすることはで きませんでした。戦争に出て恩返しをすることもできません。ただ恵みを受ける ばかりでした。しかし、ダビデ王にとっては、メピボセテが生きていて、自分と 同じ食卓で食べている、それだけで十分であり、それが喜びだったのです。メピ ボセテには、きっとヨナタンの面影があったのではないでしょうか。メピボセテ を見るたびに、自分の命を救ってくれた、あのヨナタンを思いだしたのではない でしょうか。

 さてメピボセテのこの話の中に、わたしたち自身の話が見えないでしょうか。 メピボセテにとっては、分にあまる取扱いでしたが、同じ事を、私たち一人一人 が受けている事を、思い起こして頂きたいのです。

「わたしたちがまだ弱かった頃、キリストは、時いたって、不信心な者たちのた めに死んでくださったのである。・・・しかし、まだ罪人であった時、わたした ちのためにキリストが死んで下さったことによって、神はわたしたちに対する愛 を示されたのである。」(ローマ5:6、8)

 メピボセテは、ダビデの敵サウルの孫でした。しかし、ダビデは、彼を愛しま した。そして、自分の子の一人のように扱いました。同様に、神は、敵であった 私たちを、愛してくださり、罪のあがないをなしとげ、信じるわたしたちを子ど もとして取り扱ってくださるのです。キリストを自分の救い主として信じる私た ちは、今や神の子である、と聖書は教えています(ヨハネ第1、3:1参照)。

 そして、神の子イエス・キリストを扱われるように、わたしたちを子として受 け入れ、取り扱って下さるのです。そうしていただく資格はありません。ただ神 の一方的な恵みによるのです。罪人には潜在的に神への恐れがあるのですが、神 は、

「恐れる事はない、私はあなたを愛している。わたしはあなたと共にいる。わた しはあなたの味方だ。あなたは私の愛する子、私の心にかなう者」

と言って下さるのです。神の取扱いは本当に信じがたいほどにすばらしいもので す。

(by 明智信作)