「放蕩息子の話:その2」
お元気ですか? 明智信作です。父のもとを離れて遠くへ行き、放蕩に身を持
ち崩した息子は、金も、友も失い、ひとりぼっちになった上に、飢饉におそわれ
ます。
彼は、生きるために、その地方の住民を一軒、一軒たずねて、仕事をさがしま
す。やっと見つかった仕事は、豚を飼う仕事でした。それは、当時、奴隷の仕事
でした。かつては、自由気ままに暮らしていた、大金持ちのぼんぼんが、今や、
自由も人格も認めてもらえない奴隷に落ちてしまうのです。
ひとりぼっちになり、だれも自分に声をかけてくれない、おなかがすいても何
も食べるものがない、貧乏のどん底に落ちた時、この息子は、ふと父を思い出す
のです。聖書は、このことを「本心に立ち帰って」と表現しています。
彼は長い間忘れていた父との生活を思い出しました。彼は、父のことを今まで
とは全く違った光の中で見るのです。自分は父を知らなかった。父がどれほど自
分を愛してくれていたかを知らなかった。父の言葉や態度の一つ一つが、自分を
愛してくれていたからだ、と言うことに気付くのです。
そこで、彼は、決心します。「父のところには食物のありあまって雇い人が大
勢いるのに、わたしはここで飢えて死のうとしている。立って、父の所へ帰って、
こう言おう、父よ、わたしは天に対しても、あなたにむかっても、罪をおかしま
した。もう、あなたのむすこと呼ばれる資格はありません。どうぞ、雇い人のひ
とり同様にしてください」
自分を生かしてくださる神、自分を愛して下さっている神に立ち帰ることが、
本心に立ち帰る事です。人間が本来の人間の心を取り戻すときです。その時、真
の満足と生き甲斐に満ちた新しい人生が始まるのです。
今朝の話で、注目すべきことは、この放蕩息子が父のもとに帰る気持ちになれ
たのは、息子が、父の愛を悟ったからです。同じように、「神の慈愛が(わたし
たちを)悔い改めに導く」のです。聖書の神は、あなたに命を与え、生かして下
さる愛の神です。この神が、あなたとの交わりを求めて待っておられるのです。
(by 明智信作)