「ありがとう」
お元気ですか? 明智信作です。水野源三さんをのことをご存知の方も多いと
思います。
水野源三さんは、小学4年生の時に赤痢にかかり、その時の高熱で脳性麻痺に
なりました。それ以来、口もきけず、手も動かず、足も立たず、ただ瞬きによっ
てしか、自分の意志を伝えることができない身体になってしまいました。
どのようにして行うのかといいますと、家族の方がひらがなの五十音表を指さ
します。その指先を見て、自分の伝えたい文字の所に来るとまばたくのです。あ
るいは五十音を耳に聞き、表現したい音の箇所でまばたきます。それを紙に書き
留めてもらうのです。
たとえば、「神」と言う言葉を書こうとすれば、アカサタナの「カ」でまばた
きし、「カキクケコ」の「カ」でまたまばたきします。これで「か」が伝わりま
す。次に、「アカサタナハマ」の「マ」でまばたき、次にマ行の「ミ」でまばた
くのです。こうして「かみ」ということばを伝えるのです。
こんな不自由な中にもかかわらず、彼は何万という、詩や短歌を作り、多くの
人を力づけ慰めました。47歳で惜しくもなくなられましたが、その死が近いあ
る日、つぎのような短歌を詠んでいます。
「幾たびもありがとうと声だして 言いたしと思い今日も日暮れぬ」
わたしたちは手足が自由でも、口がきけても、朝から晩まで愚痴や不服を言っ
て生きているのではないでしょうか。それなのに、47年、結婚もできず、外の
散歩も叶わず、花を摘む事すら許されず、食事も排便も人の手を借りなければな
らない状態にありながら、水野源三さんはキリスト者としての感謝の思いにあふ
れていたのでした。
この人をとおしてキリストを信じる事のすばらしさ、またこの人が信じている
キリストのすばらしさがはっきりと、輝いて、現れていると言えるのではないで
しょうか。
聖書は「すべての事について感謝しなさい」と教えています。私たちも、水野
源三さんにならって、何度も「ありがとう」と声に出して感謝を表す生活をした
いものです。
(by 明智信作)