「人間の全的回復3」

 お元気ですか? 明智信作です。

 らい病人が、肉体的に絶望感を感じていたこと、精神的にも孤独で、いやしを 必要としていたこと、社会的にも、差別と孤立を味わっていたことは、すでに述 べました。さらに、もう一つ、深刻な問題をかかえていました。

 第4の問題は霊的な問題でした。らい病人は、神のさばきを恐れつつ生きてい たということです。霊的にも苦しみの中にあったのです。ユダヤ人の間では、そ れは罪を犯した罰とみなされ、そのために「打撃」とか「神の指」などと呼ばれ ていました。

 こんな恐ろしい病気にかかるということは余程大きな罪を犯したに違いない、 その罪に対する神の刑罰がくだったのだ、とみなされていたのです。霊的にも絶 望的でした。らい病人は、神のさばきのもとにある、という苦しみの中に生きな ければなりませんでした。

 らい病人はこのような絶望感や孤独感を味わっていたのです。キリストが伝道 しておられた地方には、このような病人がたくさんいました。ところが、そんな 彼らの耳に、イエス様の噂が聞こえてきた時、その中の一人の心に信仰の芽生え 始めたらい病人がいたのです。

 このおかたのもとに行けば、自分もいやされるのではないだろうか。それにし ても自分の場合、病気が病気だから、こんな私を、イエス様が認めて下さるだろ うか、パリサイ人や医者達と同じように、イエス様も自分に災いを宣告して、人 々の出入りするところから離れるように警告されるのではないだろうか。

 彼は、イエス様について聞かされていることをみな思い浮かべてみました。そ の結果は”イエス様に助けを求めて追い返された者は一人もいない”うむ、希望 がある、そう思った彼はイエス様を捜しに出かけます。

 そして、ついに戸外で伝道しておられるイエス様を発見するのです。イエス様 がユダヤ人の会堂におられたら、探し出すことはできなかったでしょう。また、 決して、ユダヤ人は彼を中に入れなかったでしょう。

 らい病人は、感染する病気にかかっていたのですから、無理のないことです。 ただ、キリストはそれらのすべてを知っておられ、なおかつ、このらい病人をあ われんで、彼が近づくことのできる場所で、彼をみもとに引き寄せられたのです。 このことをわたしたちも心に留めておく必要があります。
                             (by 明智信作)