お元気ですか? 明智信作です。

 交通事故で夫を失い、過労のすえに結核を患って、夫の兄夫婦に幼子をあずけ、 長い療養生活を送らなければならなかった一人の女性が、牧師にこう言いました。 「これでは信仰をなくすのが当たり前です。」牧師は彼女に言いました。「いい え、だからこそ信仰が必要なのです。」

 神の現実に目を向けて、試練の中でも希望をもって生きるためには、この信仰 が必要であります。そこに信じる者と信じない者との違いが出てくるのです。キ リストの言葉は、信仰生活の中で試練に直面する人たちに大きな励ましとなって います。

 新約聖書ヨハネ16:33に次のようなみ言葉があります。
 「あなたがたは、この世ではなやみがある。しかし、勇気を出しなさい。わた しはすでに世に勝っている。」

 このことばは、弟子たちと過ごした最後の晩に弟子たちにお語りになった、一 連のお話の締めくくりのことばであります。主は、この後、最後の祈りをおささ げになり、その日の夜中に捕らえられ、裁判にかけられ、翌日の朝9時に十字架 におかかりになられたのでした。

 主は、弟子達が試練に直面することをご存知でした。だから「あなたがたがは、 この世では悩みがある。しかし、勇気を出しなさい。わたしはすでに世に勝って いる」といわれたのです。

 ここに「神のしかし」を見ることができます。弟子達は悩みに会う、という現 実の中に生きる、しかし、あなたの救い主は、世に勝っている、という神の現実 がある、だから、勇気を出しなさい、と仰せになっているのです。わたしはあな たのために罪に勝利した、あなたの罪の身代わりとなって十字架にかかった、恐 れるな、わたしはあなたをあがなった、あなたはわたしのものだ、私は死からよ みがえり、今も生きている、私はあなたと共にいる、私はあなたを助ける、だか ら勇気を出しなさい。あなたはひとりではない、わたしはけっしてあなたを一人 ぼっちにはしない。」と仰せになるのです。

 この世で、いちばん激しい戦いを経験されたのは、キリストでした。キリスト は、私達を救うために、あのゲッセマネの園で死ぬほどの悲しみをさえ味わわれ たのでした。孤独な経験をだれよりも深く味わわれました。人にあざけられ、つ ばきされるほどの屈辱をも味わい、それに耐えてくださいました。

 だから、私たちの苦しみを思いやり、助けることがおできになるのです。「あ なたがたは、この世ではなやみがある。しかし、勇気を出しなさい。わたしはす でに世に勝っている。」
                             (by 明智信作)