「三つのそら豆」

 「三つのそら豆」という童話を読んだことがあります。さやのなかに三つのそ ら豆が入っていました。時期が来てさやが割れると、その中の二つが地面にころ がりおちました。今までどこを向いても緑の世界だったのに、今度はすべて茶色 です。ふたつのそら豆は不思議そうにあたりを見回しました。

 そしてひとつのそら豆は、自分のからだが余りにも緑なので恥ずかしくなり、 できるだけまわりの色と同じ色になろうと努めました。もうひとつのそら豆はそ れと反対に、まわりの色に染まらないようにできるだけ自分の緑を保っていこう としました。一方、三つめのそら豆は自分を包んでくれるゆりかごから離れてい くのが恐ろしくて、いつまでもさやにしがみついていました。

 さて、私がこの童話を読んでおもしろいなと感じたのは、この三つのそら豆と 同じように、それぞれちがった生き方、態度をとる三つのグループがこの世の中 にも存在するということに気がついたからです。

 最初のそら豆は、世の中の動きに敏感に反応して簡単に自分の主義主張を変え て、世の流れに迎合していこうとするグループ、次のそら豆は世の流れに左右さ れず自分の生き方、考え方を純粋に保っていこうとするグループ、そして最後は 現実を直視しないで既得権にしがみつくグループ。このように考えられないでし ょうか。

 ぁなたはこの三つのグループの中の果たしてどれに属しているでしょうか。最 初のグループはあまりにも日和見主義的ですし、最後は卑怯者の感がします。

 今の世の中は、まわりの色に惑わされることなく緑を保とうとした二番日のそ ら豆のような純粋な確固とした生き方が求められているのではないでしょうか。 特に神の道を歩もうとする者には、この道以外にはないような気がするのです。
(by 鴨田増一)