「自分の原点に返る時」

 お元気ですか? 明智信作です。

 今年の正月を皆さんはどのようにおすごしになったでしょうか。21世紀の幕 開けの正月ですから、気分的に、また格別のものがあったのではないでしょうか。 一月のことをなぜ正月と呼ぶのでしょうか。正月の正という文字について、相田 みつをさんが、次のように解説しています。

 「正」という字は、「一に止まる」と書きます。「一を守る」それが「正」で す。それでは一とは何でしょうか。一とは原点、一とは自分、一とはこの私です。 自分が人間としての原点に止まる、それが正です。自分が人間としての原点を守 る、それが正です。そして、自分が自分の原点に立ち帰る月、それが正月です。 つまり、自分が自分になる月、それが正月だ、というのです。自分が自分になる ということは、人間としての、本来の自分になることです。

 それでは本来の自分とは何でしょうか? 「損得」「勝ち負け」あるいは、お 金の「有る無し」、地位や学歴の「有る無し」、などという、人と比べることを やめた自分です。普段の私たちの現実生活は、いつも「損得」「勝ち負け」とい う「比べっこ」にふりまわされていますから、一年に一度、そういう世間的な「 比べっこ」をやめて、本来の自分に帰ろうというのが正月だというのです。

 あるとき、キリストは、遺産相続でもめていた人に、相談を持ち込まれた時、 こう言いました。「あらゆる貪欲に対してよくよく警戒しなさい。たとい沢山の 持ち物をもっていても、人の命は、持ち物にはよらないのである。」

 命とは、神から与えられ、しかもかけがえのないものとして、神から与えられ たあなたの存在そのものです。それは目に見えないものです。その存在価値は、 持ち物によって上がったり、下がったりするものではありません。人に褒められ ようと、けなされようと、自分の存在の価値は何も変わらない、ということをし っかりと心に留め、自分の存在の確かさをしっかりと確認する事が、正月にふさ わしいことではないでしょうか。

 この持ち物は、お金に限りません。他の人と比較できるものは、すべてです。 外の顔形、成し遂げた業績、能力、地位、財産、肩書きすべてです。人から与え られる評価もはいります。私たちは、人の評価を気にします。ですから、人に評 価されれば、有頂天になり、うっかりすると傲慢になります。逆に、認められな いと、失望落胆し、卑屈になってしまいます。
(by 明智信作)