「無くてならぬもの」
ジョン・ワナメーカーといえばアメリカの百貨店王として有名だった人ですが、
彼は一八八九年から四年間ハリソン大統領のもとで郵政大臣を務めました。大臣
を引き受ける時のことですが、次のようなエピソードがあります。
「ァメリカ国家のために大臣として働くことは大変名誉なことであり、光栄なこ
とです。でもそのために、もしも教会の礼拝に出席できなくなったり、日曜学校
の教師を務めることができないようでしたら、お断りするより他ありません」。
彼は大統領から要請を受けた時、このように答えました。
政府はこの条件をのみました。ワナメーカーは大臣として服務中、毎週日曜日
になると、教会の礼拝に出席して日曜学校の教師として、その責任を果たしまし
た。これは彼にとって何ものにも代えられない大切な「無くてならぬもの」だっ
たのです。
イエスがかってべタニヤ村のラザロという人の家を訪問された時のことでした。
姉のマルタはイエスがおいでになったということで忙しく台所で食事の準備をし
ていました。
しかし妹のマリヤは姉を手伝おうともしないで、イエスの「足もとにすわって、
み言に聞き入ってい」ました。そのことを姉がとがめると、イエスは、「無くて
ならぬものは多くはない。いや、一つだけである。マリヤはその良い方を選んだ
のだ」といわれて、「神を第一にすること」、これがすべての問題解決の鍵であ
ることを示されました。(ルカ一〇の三八−四二参照)
マルタが心をこめてご馳走を作ろうとしたこともすばらしいことでした。しか
しイエスがここでいわれたのは、どちらをまず第一にしなければならないかとい
う優先順位の問題です。「無くてならぬもの」第一にすべきものを常に第一にす
るよう心がけましょう。
(by 鴨田増一)