「天国にいちばん近い島」
もうずいぶん前になりますが、森村桂さんの「天国にいちばん近い島」という
旅行記を読んだことがあります。
著者は小さい時にお父さんから「ずっとずっと南の地球の先っぽに天国にいち
ばん近い島がある」ということを聞かされました。大きくなってからも、そのこ
とが忘れられず、一応その島を南太平洋にあるニューカレドニア島であると決め
て、旅行しました。
その島についた森村桂さんは、そこで天国にいちばん近いのではないかと思わ
れる雰囲気と、原地人の心に触れて感動するのです。
また著者は、ニューカレドニアから少し離れたところにあるウベア島を訪問し
て、やしの葉でふいた小屋でその島の人達と寝起きをともにし、そのとき、その
交わりの中に、文明国と云われる国々に住んでいる人達が失いかけている人情を
再発見するのです。そしてやし林の向こうにどこまでもひろがっている青い海を
見つめながら「この海の向こうに天国がある。ここが天国にいちばん近いところ
だ」と叫ぶのです。
私はこの本を読み終って、こんな素晴らしいところがこの世界にまだあったこ
とを知りました。深い感動を覚えました。
それにしても私達のまわりはなんと天国から遠いことでしょう。神様が最初に
人間をお造りになった時に、その心にさずけてくださった思いを、私達文明人は
とっくの昔にどこかへ置き忘れているのではないでしょうか。
南の島に行かなくても私達のまわりに天国にいちばん近い雰囲気がいつもある
ように私達の心の思いを大切にいたしましょう。
(by 鴨田増一)