老人の救い

 ただ習慣的に教会に行き、教会員となっていた老人がいました。新しく牧師が かわると、ある日老人は牧師のもとにやってきて、告白しはじめました。

「私は今までずいぶんと多くの人の悪口をいってきました。ウソも数えきれませ ん。この歳は罪の年輪です。こんな私でも天国へ行きたいのです。どうしたらい いのでしょうか」

 彼はとりかえしのつかない過去の数々の罪に、今は押しつぶされんばかりでし た。

「おじいさん、家に帰って枕から一握りの羽根毛をとっていらっしゃい。そして 教会に来る道々、自分の歩いた道に羽根毛をおとしてきてください」

 老人は何のことかわからないままに、いわれたとおりにして再び牧師のもとに 戻ってきました。

「それでは、こんどはその羽根毛を一本ずつ拾い集めに行ってください」

「えっ、そんなバカな。みんな風にふかれて、もう手にすることなどできません」

「そうですね。罪も同じです。過去の罪は取り返しがつかないのです。ですから、 これからは再び同じ罪を繰り返さないことです。おかした数々の過去の罪は、お つらいかもしれけれど、神さまのみ前に告白すること。そうするならもはや、あ なたの罪を神は決して取り上げたりなさいません。あなたをゆるして、天国に迎 えてくださいます」

「それでは、私の犯した罪はどうなるのですか」

「あなたの犯した罪は全てイエス様が背負われました。そして、罪を犯さなかっ た方が、罪人として十字架におかかりになったのです。」

 この時、老人にやっと真の救いがわかりました。そして真心から神のみ前に罪 を悔い改めたのでした。
(by 藤田 昌孝)