「シアトルの思い出」

 アメリカの西海岸にある、ワシントン州は、エバーグリーンステート(常禄の 州)とも呼ばれている程、とても緑の多い美しい州です。

 野うさぎや、りすが芝生で遊び、木々の梢を駒鳥が飛びかう美しい新緑の公園 を通り抜け、この州の首都シアトルの町にあるワシントン湖畔の、フィッシュ・ ラダー(魚の梯子)という場所に来て足を止めました。

 これはこの辺の川に帰ってくる鮭が自然にワシントン湖に入ってくるように、 急流をさかのぼる鮭の習性をうまく利用した装置で、その入口に梯子状の段を作 り、その上に水を流して人工的に急流を作り出しているのです。十月頃ここを通っ て入ってきた鮭の大群はワシントン湖で産卵します。

 こうして帰ってくる鮭の数は出ていった数と比較するとわずか一パーセントに すぎないということをこの時に聞かされて驚きました。産卵という目的のために、 傷つきながらも最後まで頑張り通した鮭の姿は私達に生き残ることのきびしさと 尊さを教えてくれます。

 旧約聖書の申命記二八章六二節に「あなたがたは天の星のように多かったが、 あなたの神主の声に聞き従わなかったから、残る者が少なくなるであろう」と書 いてあります。

 どうして天の星のように多かったものが最後には残り少なくなったかというと、 それは「主の声に聞き従わなかったから」です。

 まず私達が神によって創られた存在であることを認め、その神の生活指針に従 うこと、その時に本当の幸せが約束されるのです。自分の思いのままに、好き勝 手に生きていては「残る者」とはなれません。これは厳粛な事実です。
(by 鴨田増一)