「水のほとり」

 エジプトは「ナイルのたまもの」と言われています。アビシニヤ高原とアフリ カの奥地にそれぞれ源をもつふたつの支流がひとつとなって、とうとうと流れる ナイル河がなかったならば、あの古代エジプトの壮麗な文化の花は咲かなかった はずでした。また、今日のエジプトも存在しないのです。

 ナイル河流域は世界的に人口密度の多いところで、国全体のわずか三パーセン トにあたるナイル河流域地帯に、全人口の九十九パーセントが住んでいるという ことです。一年を通じて雨らしい雨の降らないかの地にあって、ナイルを離れる ことは死を意味することになるのです。

 シュメール人達もペルシャ湾に注ぐチグリス、ユーフラテス河のほとりで世界 最古のシュメール文化を築きました。また、黄河や揚子江の流域は、漢民族が古 代中国文明の最初の栄光をつくりあげたところなのです。このょうに人類の歴史 は水のほとりから始まりました。水なしには人間は存在できません。

 旧約聖書エレミヤ書十七章七節、八節に次のような言葉があります。

「おおよそ主にたより、主を顧みとする人はさいわいである。彼は水のほとりに 植えた木のようで、その根を川にのばし、暑さにあっても恐れることはない。そ の葉は常に青く、ひでりの年にも憂えることなく、絶えず実を結ぶ」。

 水が恋しくなる七月、八月−水のほとりにあるよく茂った木のように神のみ言 葉の水を十分吸収している人の心は育っていくのです。栄えていくのです。

 神のみ言葉の水のほとりにしっかりと根ざし、人生の暑さにも日でりにも負け ないで元気よくいきいきと過ごしましょう。
(by 鴨田増一)