農夫が見つけた粘土板

 1887年のことでした。ひとりのエジプト人農夫が、テル・エル・アマルナ というところでたくさんの粘土板を見つけました。

 その一つ一つにくさび型の文字のようなものが刻み込んであったので、農夫は 骨董晶として売れるかもしれないと思い、ろばの背に粘土板を積んで、何週間も かかって320キロ北のカイロの町まで運びました。ところがカイロの町の古物 商が全然相手にしてくれなかったので、自分の村まで持ち帰り、それからまた遠 く離れたラクソの町まで運んだりしました。

 この何百枚という粘土板がついに考古学者の目にとまつた時には、ろばの背に 積まれて、行ったり釆たりしたおかげで、多くが破損してしまっていたというこ とです。

 カイロの古物商だけでなく、誰の目から見てもあまり値打ちがあるとは思われ なかったこの粘土板に書いてあつた文字は、その後の研究の結果、世界最古の外 交文書であることがわかりました。

 現在、アマルナ書簡として知られているこの粘土板は、妃元前1500年頃の 国際関係や文化状態を知る貴重な資料として、とうとばれています。

 聖書についても、この粘土板と同じようなことが言えます。今日もなお、農夫 が見つけた粘土板を買い取ろうとしなかったカイロの商人と同じような態度で、 聖書を取り扱っている人たちが多くいることは残念なことです。

 どんな人でも聖書を手にとって、目をべ−ジの上に向けさえすれば詩篇の記者 が「みことばが開けると光を放って、無学な者に知恵をあたえます」と歌った、 無限の知恵と知識を発見することができるのです。

 あなたもぜひ聖書に親しんで下さい。
(by 鴨田増一)