あなたを喜ぶ

 私たちが人を愛すると言ったとき、それは何を意味するでしょうか。愛すると は、必ずしも「何かをしてあげる」ということとは限りません。「してあげる」 ことによって相手の存在や能力を否定してしまうこともあるからです。

 知的障害者と健常者が共に生活する「ラルシュ共同体」の創設者、ジャン・バ ニエという方は、『小さな者からの光』という著書の中で次のように語っていま す。

 「愛するとは、その人の存在を喜ぶことです。その人の隠れた価値や美しさを、 気づかせてあげることです。その人に向かって、『私はあなたが生きていて幸せ です。あなたの存在をとても喜んでいます。あなたは大切な、価値ある人です』 と言うことを伝えることです。

 人は愛されて初めて、愛されるにふさわしいものになります。そして何かがで きるようになります。積極的になります。愛されることによって、人はこの世界 で何かを果たすことができるのです。」

このように書かれていました。

 人は誰かに愛されて、自分を愛し、人を愛せるようになります。愛は愛によっ て育まれるのです。

 神様は、イエス様に次のようにお語りになりました。「これは、わたしの愛す る子、わたしはこれを喜ぶ。」この言葉は、私たちにも語られているのです。「あ なたは、わたしの愛する子、わたしはあなたを喜ぶ。」

 「自分の存在を喜んでくれる神様がいる、自分を励ましてくれる神様がいる」 この実感は私たちを自由にし、伸び伸びと元気にしてくれます。神様の愛は私た ちに「生きる力」を与えてくれます。そして私達は、その「生きる力」をもって 誰かを愛してゆくことができるのです。
(by 藤田 昌孝)