尻餅
風呂を洗っていた時のことです。湯舟を洗い終わって、洗剤のついたままの裸
足で湯舟から出て、洗い場の床に右足で立とうとしたところ、ツルリと滑って体
が宙に浮き、次の瞬間、思いっきり尻餅をつき右肘を湯舟の縁にぶつけてしまい
ました。
おかげで右肘はこぶ取り爺さんのこぶみたいにぷっくり腫れ上がってしまいま
した。あまりの痛さに思わず声を上げてしまいましたが、思えば、このようなこ
とが結婚してから今回も含めて3回ほどありました。
1回目は、結婚した当初で新婚旅行で上高地へ行った時のことです。2人で上
高地より蝶ヶ岳に上り下山後、麓の旅館の露天風呂に入ったのです。湯に入ろう
とした時に、岩に蒸したこけに滑って頭から後ろ向きに落下しました。
落ちたところがお湯の中でした。後ろ向きに滑ったので岩の上に落ちるのが当
然で「死んでしまう」と思ったのですが、不思議にも水の中でした。
2回目は子供が産まれたばかりの時です。出産後1週間ほどして妻と赤ちゃん
が退院して自宅に帰ってきました。仕事もそこそこに夕方帰宅しました。家へ帰
るなり子供の顔を見て、安心して立ち上がり体の方向を変えようとしたところバ
ランスを崩して、子供の寝ている方向へ尻餅をついてしまいました。
「子供を殺してしまう」と思いましたが尻餅をついたところは子供の寝ていると
ころとは離れた畳の上でした。
この3回とも、何度思い返しても冷や汗の出る思いです。滑って落ちたところ
が悪ければ、死んだり寝たっきりになったり残りの人生を後悔の思いで過ごすこ
とになったのではと思います。
文才のない私が文字にするとなかなか思いが伝わらないじれったさを感じます
が神様は、あの時私を守って下さったのだという感謝の思いで一杯です。
(by 和夫)