命あるところ2

 去年の夏、私は5歳と7歳になる娘たちといっしょに、木によじ登るセミの幼 虫を見に行きました。

 その日の夕方、ちょうどたくさんのセミの幼虫が近所にあります川沿いの一本 の木に攀じ登っているところでした。長い歳月を経て地上に這い出てきた何十匹 もの幼虫が街頭に照らされながら、木の上に登ってゆく様は圧巻でした。私たち はそれらの幼虫の数匹を捕まえてきて、家の虫かごに入れました。

 幼虫はその日の晩、虫かごの格子にしっかりとつかまり、成虫になる様を私た ちに見せてくれました。幼虫の背中が割れ、中からセミの成虫が出てきます。引 力をつかって下の方向に垂れ下がるのですが、そのうち腹筋運動のような格好で 体を起こし、格子につながっている幼虫の殻につかまります。

 幼虫の殻にしっかりとつかまりながら、その小さいな青い羽を成虫の羽まで伸 ばしてゆくのです。家族一同目を凝らしてその美しい瞬間を見つめていました。 翌日セミたちは元気に青空に羽ばたいて行きました。

 ところが、このセミの幼虫、何かによじ登り、つかまることができればよいの ですが、それができずに地面の上で朝を迎えてしまいますと、成虫になることな くそのまま死んでしまうそうです。セミの幼虫は何かによじ登り、そこにしっか りつかまっていなければ、成虫になることができないのです。

 私たちもイエス様にしっかりとつながっていませんと、いつのまにか元気がな くなってしまいます。

イエス様はおっしゃいました。

「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。もし人がわたしにつながっ ており、またわたしがその人とつながっておれば、その人は実を豊かに結ぶよう になる。わたしから離れては、あなたがたは何一つできないからである。」 ヨハネによる福音書15章の5節です。
(by 藤田 昌孝)