目に見えないもの

 サン・デグジュペリの「星の王子さま」という本の名を皆さんは耳にされたこ とがおありだと思います。その中で星の王子さまは一輪のバラをこの世に一本の 花として大切に育てます。

 しかし別の星に行ったとき、そこには美しいバラが5千本も植えられていまし た。王子様は嘆きます。「ぼくはこの世に、たった一つの、めずらしい花を持っ ているつもりだった。ところが、じつは、ただのバラの花を、1本持っているに 過ぎなかった。これじゃ, ぼくはえらい王様なんかになれやしない。

 そこにきつねが現れ、王子様と友達になります。王子様はもう一度5千本のバ ラ園に行きました。そしてバラにこう言うのです。「あんたたちは美しいけど、 僕はあんたたちのために死ぬ気にはなれないよ。だけど、ぼくの一輪のバラは、 かけがえのない大切な友達なんだ。ぼくが水をかけ、覆いをかけ、毛虫をとって、 わがままを聞いてあげた大切な花なんだからね。」

 キツネは別れ際、王子さまに言います。「物事は心で見なくちゃよく見えないっ てことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ。」「かんじんなことは目に 見えないんだよ」と王子様は忘れないようにくりかえしました。

 日本は今、テレビ、エアコン、車、コンピューターと、たくさんの物質に恵ま れています。それは一昔前では想像できなかった豊かさかもしれません。しかし その反面、自殺をする者の数は1日に100人に達するほどといわれています。 目に見えるものだけで人は幸せになれないということなのかもしれません。

聖書の言葉
わたしたちは、見えるものにではなく、見えないものに目を注ぐ。見えるものは 一時的であり、見えないものは永遠につづくのである。 コリント第二の手紙4章 18節でした。
(by 藤田 昌孝)