キリスト家の一員

 イギリスのパブリックスクールでの、お話です。パブリックスクールは、その 名前とは反対に私立の伝統的な学校です。殆どの学校が全寮制という、システム を取っているようです。

 この全寮制の学校には、思春期で多感な子供達が集まってきます。色々なこと に好奇心を持って、即行動に移すというのも、この年代の特徴です。

 いわゆるいたずら盛りの年代です。ですから、一日として、誰も注意を受けな かったり、罰を受けなかったりして終わる日はありません。

 この学校も例外ではなく、子供達が集団で脱走したり、色々な考えつく限りの いたずらをしては、先生から鞭の罰を受けたり、校長室に呼ばれたりしていまし た。

 しかし、その中で、一度も、その様な罰や注意を受けたことがない生徒がいま した。そのことに気付いた校長先生は、暫く、その生徒を観察していました。

 そうしますと、普段は仲良く同年代の友達と遊んでいるのですが、悪ガキが入っ てきて、何かグループとして悪巧みが始まると、すっととそのグループを離れる のです。

 校長先生は、その子のそう言う子供らしくない動作を見て、逆に心配になりま した。「子供というのは、時として、はめを外して色々ないたずらをするが、大 人に罰や注意を受けて、色々なことを学び成長していくものだ」というのが持論 でした。

 ある時、校長室で、その少年と二人きりになる機会があり、それまで疑問に思っ ていた、少年の子供らしくない行動の理由を尋ねました。

 少年は、答えました。「僕も、本当は他の友達と一緒になって騒いだり、悪戯 をしたいと思うこともあります。でも、それをやって校長先生に怒られると、大 好きなお父さんを悲しませることになります。僕の家は、貴族で、お父さんの名 誉を傷つけることになります。だから僕は、みんなの仲間には加わらないので す。」

 私達は、皆、キリスト家という天の貴族の家族の一員です。日々の生活の中で、 今、自分が行っていることがイエス様を喜ばせることか、逆に悲しませることか 考えながら生活できたら良いなと思います。
(by 和夫)