おのおの、自分のことばかりでなく、他人のことも考えなさい。 ピリピ2:4

 イルカのカーフ

 クーイツ、クーイツとイルカがないています。けれど、いつもの声とは、ちょっ と違っています。イルカの赤ちやんが 生まれるのです。

 まず、小さなしっぽが出てきて、それからしばらくして、かわいい赤ちやんが 生まれました。赤ちやんの身長は、1m近くあります。勿論、お母さんは、2m 以上もあるのです。

 イルカは海に住んでいますが、魚ではありません。魚は海の中で呼吸出来ます が、イルカは、空気を吸わなければなりません。生まれたばかりのカーフも、早 く空気を吸わなければ死んでしまいます。

 お母さんは、急いでカーフの下にもぐり、静かに水面までおし上げました。スー スー!カーフは、顔の上についている鼻で、はじめて空気を吸いました。カーフ はすぐに泳げるようになり、やがて空気を吸う時、ひとりで水面に出られるまで になりました。

 おなかのすいたカーフは、お母さんのそばに泳いでいきました。お母さんは体 をまげて、おっぱいをたくさん飲ませてくれました。イルカは、くじらの仲間で す。

 イルカは水泳のめいじんです。魚は尾びれを左右に動かして泳ぎますが、イル カは、尾びれを上下に動かして泳ぐのです。カーフも尾びれを力いっぱい動かし て、とても早く泳ぎました。

 背中にあるひれは、まっすぐ泳ぐためについています。胸の所についているひ れは、フリッパーといって、海の中でぐるっとまわったりする時に使うひれです。 イルカ達は、みんないっしょに波に乗って、ジャンプしたり、もぐったり、楽し く遊びました。

 イルカは、とても勘のいい動物です。えさをとる時も、皆で協力して、えさの まわりを囲んでしまったりしてつかまえます。

 チァッチァッチァッ!シャチの声です。イルカにとって、シャチは恐ろしい動 物です。バシャンバシャン!一頭のイルカが、しっぽで水面をたたいて、シヤチ が近づいた事を仲間に知らせました。

 お母さんは、急いでカーフのそばにいきました。皆はあわてて逃げだしました。 ものすごい早さで泳ぎました。

 けれど、シヤチは だんだん近付いて来ます。赤ちやんカーフは、疲れて群か らとり残されそうになりました。すると、力の強い雄のイルカ達が、カーフをと りかこんで守ってくれました。

 赤ちやんイルカのカーフは、どんどん大きくなりました。時々お母さんはえさ をさがしにカーフのそばを離れることがあります。その間、お姉さんイルカが、 カーフのおもりをしてくれます。お姉さんは、カーフの世話をして、お母さんの お手伝いをします。

 カーフは、だんだんと、自分でえさをとったり、いろいろな事を学んでいきま した。

 ある日の事、カーフは、ひとりで小さな魚をつかまえて、泳ぎまわっていると、 突然大きなサメがあらわれてカーフをぴっくりさせました。

 お母さんより大きなそのサメは、カーフに向かってきたのです。その時、バシ ャンバシャンと危険に気づいたイルカが、しっぽで水面をたたきカーフに知らせ ました。

 けれども、おそすぎました。サメはカーフに襲いかかりそしてカーフのむなぴ れを食いちぎってしまいました。

 その時、雄のイルカ達が、サメめがけて泳いで来てとがった口で、サメにぶつ かっていきました。危ないところを助かったカーフは、早く空気を吸わなければ なりません。

 二頭のイルカが、カーフを水面に押し上げてくれました。カーフは、やっと空 気を吸うことが出来ました。他のイルカ達も心配して、カーフの命を救ったので す。カーフのきずはすぐによくなりました。いつもこうしてイルカ達は助けあっ て暮らしているのです。
参考図書 イルカのカーフ文化出版社(ミセスこどもの本)
(提供:母と子のはこぶね学園)