人を片寄り見ることは良くない、人は一切れのパンのために、とがを犯すことが ある。箴言28:21

  間違い

 川田さんの住んでいる団地の10階に、ひで君と言う3歳の男の子がいます。 自動車の名前は全部知っているし、字はスラスラ読めて、とても頭の良い子です。 頭が良いだけに、いたずらも又すごいのです。

 例えば、よその家の玄関から 色々なものを持ち出して、又、別の家に入れた り捨てたりするのです。川田さんの家の玄関からも、靴を2,3足持って行って、 7階の廊下に捨てておいたこともありました。そんなことが2,3回あったので す。

 そんな或る日、川田さんが毎日はいているサンダルがなくなってしまいました。 ひで君は、「僕知らないよ」と言いましたが、川田さんは、もう、ひで君がやっ たに違いないと思いました。

 それから川田さんの子供のゆみちゃんのゴムサンダルも 片方見当りません。 近所の子が「ひで君が捨てたよ」と言うので、これもひで君のしわざだと思いま した。川田さんは、「ひで君って嫌な子だな」と思うようになっていました。

 だから、ひで君が川田さんの家の前を通ると、何かが無くなったのではないか と調べたりしました。

 それから何日かして、川田さんが玄関の掃除をしていると、ひで君が持って行っ たとばかり思っていたサンダルとゆみちやんのゴムサンダルの片方がヒョッコリ 出て来たのです。ゆみちやんのお姉ちゃんが、「あつそうだ、ひで君が持って行 くといけないから隠しておいたんだっけ。」と、やっとその時 思い出しました。

 川田さんの心は、チクッと痛みました。「ひで君ごめんなさい。何でもひで君 のせいにして」と、本当にすまなたったと思いました。ひで君は近所の人達に悪 い子だと言われているけれど、全部が悪いのではありません。

「ちょっと失敗してしまった時だけなのだから、許してあげましょう」その時か ら、ひで君のことを、川田さんは、そう思うようになりました。
(提供:母と子のはこぶね学園)