感化力と有用性に対する影響
最大の克己心を働かせなければならない時に、大量の不健康な食物で胃を満た
し、それが胃の中で停滞して腐敗することがよくあるが、これは何と残念なこと
であろう。
胃を害することは脳に影響を与える。不注意に食す者は他の人に賢明な忠告を
与えることができなくなり、神のみ働きを最上に発展させる計画を立てることも
出来なくなるが、それを認識しない。しかし事実はその通りである。
そのような人は霊的事物を識別することもできず、会議ではしかり、アーメン
と言ぅべさときに否と言い、まるで見当違いの提言をしたりするが、それは食し
た食物がかれの頭脳力を鈍らせてしまったからである。
不節制は人間が真理のためにあかしを立てるのを妨げる。また神の祝福に対し
われわれが神にささげる感謝は胃の中に入れる食物によって影響される。食欲に
おぼれることは、不和、紛争、あつれき、その他多くのわざわいのもとである。
気短な言葉が語られ、不親切な事が行われ、不正直な行動がなされ、激しい怒
りが表わされたりするが、これらは皆胃をしばしば虐待することによって脳の神
経を病気にするために生ずるのである。
ある人々は神の栄光のために飲食することの必要性を感じないが、食欲におぼ
れることは生活の全ての面でかれらに影響を及ぼすものであって、その影響は家
庭に、教会に、祈祷会に、またかれらの子女たちの行動に表われる。この事はか
れらの生涯の災いとなっている。
今日の終末時代のために与えられた真理をかれらに理解させることはできない。
神はかれの被造物すべての維持と幸福のために必要を豊かに満たしておられるの
であって、もし神の律法を破ることを絶対にせず、すべての人が神のみ旨と調和
して行動したならば、悲惨事と絶ぇ間ない災害の代わりに健康と幸福を経験する
のである。
世の贖い主は食欲におばれることが肉体を衰えさせ、きよい永遠の事物を識別
できない程知覚を鈍らせるということを知っておられた。キリストは世界が暴食
にふけり、この不節制が道徳の力を誤らせてしまうことをご存じであつたのであ
る。
食欲の不節制がそれ程ひどく人類に及んでいて、その力を破るのに神のきよい
御子が、人間のために六週間近く断食をなさらなければならなかったとすれば、
クリスチャンがキリストの勝利されたように勝利するまでには何という大仕事が
あることであろう。
誤った食欲をはしいままにする誘惑の力は、荒野で長い断食をされたときの、
キリストの言語に絶した苦悩によってのみ測ることができる。
キリストは救いの計画を実行して成功なさるためには破滅の生じたその所から
人類救済の働きを始めなければならないことを知っておられた。アダムは食欲に
敗けて罪を犯したのである。
神の律法に服従する義務を人間に印象づけるためキリストは人間の肉体に関す
る習慣を改革し、これによってかれの贖罪の働きをお始めになった。徳が衰え、
人類が退化するのは主として誤った食欲をはしいままにする事に起因する。