古代における道徳的堕落
洪水前に生存した人々は動物性食品を食し、かれらの悪の杯が満ちるまで、肉
欲を満足させたので神は洪水をもって地球をその道徳的な汚れからさよめられた
のであった。
人類堕落以来、罪悪は広く勢力を振るい、少数の人々は神への忠誠を保ったが、
大部分は神の前に汚れた生活をした。ソドムとゴモラの滅亡は、かれらの大きな
罪悪のためであった。
かれらの不節制な食欲の自由に任せ、汚れた情欲にふけり、遂にあまりにもひ
どく低下し、その罪悪はいまわしい状態となり、かれらの悪の杯は満ちたので天
から降った火で焼き滅されたのである。
ノアの時代、神の怒りを世界にもたらした罪悪と同様な罪悪が、われわれの時
代にも存在している。今日男女は飲食を過度に行って暴食し酩酊する。
誤った食欲をほしいままにする、この一般の罪がノアの時代に人々の情欲を燃
えさせ、社会全体を堕落に導き、遂にかれらの暴虐と犯罪が、天に達する程になっ
たので、神はこの世界を洪水によって道徳的汚れからお洗いになったのである。
暴飲暴食の同様な罪がソドムの住民の道徳感を鈍らせたので犯罪はこの虚しき
都市の男女に楽しみとされたようである。
そこでキリストは次のように世界に警一告を与えておられる。「ロトの時にも
同じようなことが起った。人々は食い、飲み、買い、売り、植え、建てなどして
いたが、ロトがソドムから出て行った日に、天から火と硫黄とが降ってきて、彼
らをことごとく滅ぼした。人の子が現われる日も、ちょうどそれと同様であろ
う。」
キリストはここに最も重要な教訓を残されたのである。彼はその教えの中で怠
惰をすすめるようなことはなく、彼の模範はその反対であつて、キリストは熱心
な働き手であった。彼の生涯は克己、勤勉、忍耐、勤労、節約の生涯であった。
彼は飲食を最高事にする危険をわれわれに示そうとなさり、食欲におぼれるこ
との結果を明らかにしておられる。
道徳力は弱くなって罪が罪深く見えなくなり、犯罪は黙許され、低級な情欲が
精神を支配して遂に全般的な堕落が善良な主義原則や衝動を根絶し、神は冒涜さ
れる。これが皆飲食を過度にする結果であって、これこそキリストのご再臨の時
に存在すると彼が仰せになっておられる状態なのである。
男子も女子も警告を受けるであろうか。かれらは光を愛するだろうか。あるい
は食欲や低級な情欲の奴隷となるであろうか。キリストはわれわれに、単に何を
食し、何を飲み、何を着るかということよりも更に高い、努力の目的を示してお
られる。
飲食や衣服のことが罪となる程、過度に行われていて、これが終末時代の著明
な罪の一つとなり、間近いキリストの来臨の前兆となっている。
神の所有であるが、われわれに委託されている時間や金銭や体力を、必要でも
ない余分な衣服や、活力を減じたり苦痛や衰弱をもたらすような誤った食欲を満
たすぜいたくな食事に費やしている。
われわれの罪深い不節制でわれわれの身体が腐敗と疾病に満たされるならば、
これを生きたきさげものとして神にきさげることはできない。