オーストラリアの教会成長ツアー
この度、皆様のご協力とご理解の中で、8/25(月)〜9/8(月)までの
2週間にわたってオーストラリアの教会成長ツアーに参加させていただきました。
現地は今は冬にあたっていて、ほどよく涼しく、毎日澄み渡る青空の下、17回
の教会訪問・説明会と南太平洋支部メディアセンター・アボンデール大学・ホワ
イト夫人が晩年すごされた家を見学をこなしてきました。
氈Dオーストラリアと日本の共通点
オーストラリアの教会が今抱えている大きな課題の1つは、オーストラリアの
世俗化社会です。今、オーストラリアのクリスチャンは全体の20%です。その
うち、80%の人々は教会へ行っていません。世俗化社会の中で、教会はいかに
してキリストの福音を宣べ伝えてゆくかという課題があります。
もう1つは、教会のライフサイクルの課題です。1つの教会は誕生してから、
成長し、年月を経て、やがて衰退期を迎えます。歴史ある教会が衰退期を向かえ
衰えてきたとき、どのような対応が考えられるでしょうか。
新しい教会を立ち上げてゆくこと、チャーチ・プランティングは1つの方法で
す。もしくは、歴史のある教会が教会本来の聖書的目的を再確認し、新鮮な伝道
意識の中で、新しい教会メンバーを迎えるための工夫をしてゆく方法もあります。
これらの課題に対して、オーストラリアのある教会はそれぞれ独自の取り組み
をしていました。キリスト教人口が1%を切る日本にとって、またそれぞれの歴
史を持ち始めた日本の教会にとって、それらの取り組みは大きな示唆を与えてく
れたと思います。
.3つの教会
訪問させていただきました15の教会を私の印象によってですが、3つの教会
に分けさせていただきました。1.夢見る教会 2.維持する教会 3.伝道す
る教会 です。
1.夢見る教会
大きな夢や、希望、「このようになったらいいなー」といった願いは語るもの
の、それをどのように実現してゆくかが、今の時点でまだ見えていない教会です。
教会のミッションステートメント(使命・存在理由)、ヴィジョンステートメ
ント(展望)、バリュース(基本方針)、伝道方法が定まっていないか、または
教会全体に浸透していない段階にある教会です。牧師も教会員もそれぞれの夢は
語りますが、まだ、それを実現するだけの力がないのです。
2.維持する教会
何かをしなければならない、改善の必要を感じながらも、現在の教会を維持す
るだけにエネルギーがとられている教会です。複雑な役員構成と組織を持ちなが
ら、その役員推薦のために毎年数ヶ月の期間が消費されている教会です。伝道す
ることよりも、維持することに多くの時間が取られているのです。
3.伝道する教会
今回見学させていただいた多くの教会はここに入ります。この教会は、教会の
老齢化、社会の世俗化について、教会本来の聖書的目的を再確認し、新鮮な伝道
意識の中で、その使命を果たしてゆこうとする教会です。この「伝道する教会」
はさらに、二つに分けられると思います。@コミュニティーチャーチとA健全化
する教会です。
@ コミュニティーチャーチ
この教会は、地域の必要を調べ、そこに住む人々の必要を満たす働きをします。
人々の必要にお応えになったイエス様の姿を現代において現そうとします。世俗
化されたノンクリスチャンを導くことを教会の使命とします。
地域にとっての教会を目指します。その中で確実に救霊の働きを遂げています。
新しく立ち上げられる教会(チャーチ・プランティング)によく見られます。
A 健全化する教会
自分の教会が老齢期、衰退期に入っていることを認識し、健全な危機感の中で、
もう一度一致して教会の成長を考えようとする教会です。
クリスチャンの現代性を視点に入れて、今、若い世代のクリスチャンがどのよ
うな文化の中で過ごしているのかを省みながら、教会の健全化を図ってゆこうと
する教会です。
教会指針や過去のキリスト教文化を神聖化することから解放され、伝統的であ
るよりも機能的あろうとします。変わることのないキリストのメッセージを現代
においてどのように適応してゆくかを考えています。
。.伝道する教会の特徴
私たちが興味を引かれ、大きな示唆をうけた3つ目の「伝道する教会」には、
共通点が感じられました。少なくとも9つの特徴があげられると思います。
1.知性的、意図的
彼らは、もれなく自分たちの「ミッションステートメント(使命・存在理
由)」、「ヴィジョンステートメント(展望)」、「バリュース(基本方針)」、
「伝道方法」を持っており、それらは美しくプレゼンテーションします。その内
容はきれいに印刷され、来訪者、もしくは新しい信徒にいつでも説明できるよう
になっています。
彼らはそれらの必要性を強く語ります。方向性の定まらない、どっちつかずの
教会は、その力を失っていくからです。彼らはそのヴィジョンにしたがってすべ
てのプログラムやイベント、礼拝、建物を意図的に作り上げ、または改善してゆ
きます。
2.聖書的
彼らは古き伝統に仕えようとはしません。伝統は、各時代の中で聖書的であろ
うとしスタイルだからです。彼らは現代においても聖書的であろうとします。御
言葉に仕え、キリストの姿を現代において現そうとします。
3.明るく前向きなパーソナリティー
彼らはおしなべて明るく前向きで、教会の成長を望んでいます。人々に友好的
であり、正直でリラックスしています。来訪者や教会の必要を満たすことに積極
的です。
4.賜物が活かされている
彼らは自分たちの賜物を知っています。そして各自がそれにふさわしい奉仕を
喜んで果たし、そのことに、主にある誇りを持っています。
5.小グループ伝道
彼らは小グループで伝道し、小グループで成長しようとしています。彼らの中
には、「教会が小グループを持っているのではなくて、小グループが教会を持っ
ている」と語る教会もあります。
6.情熱
牧師を初めてとして、信徒・長老の方々が成長に対して強い情熱を持っていま
す。100年もの伝統を持った教会で、お歳をめされた長老さんを中心にして、
高齢の方々が集まって衰退期に入っている教会をいかに活性化させるかを考え、
若い長老をまねいてヴィジョンを立ち上げていました。
教会が新しい息吹を吹き返すために積極的に取り組んでいる彼らの姿は感動的で
した。
7. 創造的・意図的な礼拝
従来の礼拝スタイルを神聖化し、それを守ることを使命とするのではなく、現
代においていかに生き生きとした霊的な礼拝になるかをそれぞれの教会が考え、
実践していました。1つの教会でも、年代層に合わせた礼拝がそれぞれ行われ、
それぞれの違いについて善悪で裁くのではなく、「違い」と捉える成熟さが印象
的でした。
古いスタイルも、古い讃美歌も良いし、新しいスタイルも、新しい讃美歌も良
い、古い楽器も良いし、新しい楽器も良い、対象の違いによってそれぞれが用い
られるという健全な判断がなされていました。
日本の教会にはあまり見られない、現代的な讃美歌や演奏を用いるお礼拝も、
いたって霊的な礼拝でした。人々はそこで主に愛され、人々に愛され、悔い改め
に導かれ、育まれていました。
8. 組織よりも個人優先
組織ではなく、教会員一人一人が大切されていました。牧師が訪問するという
よりも、教会員全員が一人一人の魂に関心を示し、かかわり、温かな関係が持た
れる工夫がなされていました。
9. 個性的
彼らはそれぞれ違った教会でした。自分たちの地域を知り、自分自身を良く知
り、自分たちの賜物を知り、その特質を活かしながら、独自の教会を建て上げて
いました。それぞれの教会の成長は個性的でした。
(by 藤田 昌孝)