辛い事に出会った時

『人は誰でも作家になれる』(中谷彰宏著)という本の中に、「イヤなことや辛 いことに出会った時、材料を手に入れた作家はニコニコする」と見出しで、次の ようなことが書かれていました。

 作家にとって、もっとも材料になるのは、イヤなことや辛いことです。イヤな ことや辛いことがあったら、本を書きましょう。幸せな時は、本を書くには向い てないようです。せっかくイヤなことや、辛いことがあったら、ムダにしないで、 そのことについて、本を書きましょう。本を書くことで、落ち込みから脱出でき るのです。

元気が出て、しかも、本を書ける。そう考えれば、イヤなことも辛いことが起こっ た時、材料ができたと、思わずニコニコしてしまうはずです。

 私の尊敬する先輩の牧師で、うつ状態になった先生がいます。彼は辛いながら も、牧師にとって、こんなにオイシイ材料はないということで、自分の状態や、 日々の出来事をちくいち書きとめ、さらには「うつ」についての勉強をなさった そうです。

 今ではすっかりお元気になり、自らの体験を含めた、「私のうつ体験」という 題で講演会を開かれています。たくさんの方々が教会に招かれ、なぐさめと、励 ましを受けられたそうです。

 私もときどき、お説教の中で自分の失敗談や辛い経験をお話しすることがあり ますが、そのときほど、会衆の皆さんの顔が輝いているときはありません。

 成功談や、恵まれた経験は、ある人々にとっては励ましや良い動機付になりま すが、元気を失っている人にとっては、つらいお話になることもあります。

 その点、共感できる体験、辛かった時の経験や失敗談は、ある人にとっては、 なぐさめと励ましを与えるものになることがあります。

 そういえば、そろそろプロ野球の「珍プレー好プレー」が放映される季節にな りますが、なぜこの番組がそれほど人気があるのか、といえば、それは決して野 球選手をバカにしているのではなく、一生懸命やっている中にも、人は失敗する ことがある、練習を積み重ねた才能のある選手でも、自分と同じように間違える ことがある、いや一生懸命やればやるほど、面白いことが起こる、ということに 共感を覚えるのではないかと思います。

 どうやら、自分にとっての失敗談や辛いマイナスの経験も、用い方によっては どなたかをを勇気づけたり、なぐさめたり、励ましたり、プラスに用いられるこ とがあるようです。

神は、神を愛する者たち、すなわち、ご計画に従って召された者たちと共に働い て、万事を益となるようにして下さることを、わたしたちは知っている。ローマ8:28
(by 藤田 昌孝)