棟方志功の出会い
最近お読みした本の中に、版画で有名な棟方志功のお話が載っていました。青
森生まれの版画家で、「わだば(わたしは)日本のゴッホになる」と言った方で
す。
彼が小学校の頃、「校庭に飛行機が飛んでくるから、みんなで見にいらっしゃ
い」と言われ、子どもたちはみんな、ワーと喜んでとんでゆく時、彼も行くので
すが、目が悪いために、途中で野壺に落ちてしまいます。
野壺とは肥溜のことです。くさいし、ドロドロ、最悪の事態です。しかし、彼
が、ばっと顔を出した目の前に、小さなすみれの花が咲いていました。
野壺に落ちたその臭いと、野壺から最初に顔を出した時に見えたすみれの花の
美しさ!その落差!このすみれの美しさを、画面に表現することができたら、と
いう気持ちが、彼を画家にさせたというのです。それが彼の芸術性の開眼の瞬間
でした。
そして次に「白樺」という雑誌に載ったゴッホの絵を見て、「俺は日本のゴッ
ホになる」と目覚めたといいます。
この二つの出会い、野壺から見たすみれと雑誌のゴッホとの出会いが、彼の芸
術の真髄を決定したと書かれていました。
いろいろな出会いがあります。人との出会い、自然との出会い、本との出合い、
環境、経験の出会いがあります。
私たちはいろいろな出会いの中で、新しい世界を発見すると同時に、新しい自
分を発見することができます。
「一人旅は、人を成長させることがある。それは、新しい景色との出会いと同
時に新しい自分との出会いでもあるからだ」と言った方がいますが、その通りだ
なーと思わされます。
最近、田中信生牧師の説教をインターネットで聞いていましたら、大変上手な
ご説明をされていました。次のようなくだりです。
知識、情報を得ること、それは「なるほど」と思いますので、「納得」という。
能力、技術、感性を得ること、それは身体で覚えますので、「体得」という。
しかし、いのち(生きてゆく力)を得ること、それは霊的なことがらだから、
このお方と出会う以外にはない。それは会って得ることだから「会得」という。
この方とは、イエス・キリストのことである。
このようなご説明でした。
私たちも、イエス・キリストとの出会い、もしくは、イエス様と出会っておら
れる方との出会いの中で、いのちを与えられ、新しい自分を発見し、新しい生き
方、使命を見つけてゆくことが出来るのだと思います。
(by 藤田 昌孝)