日本の風土と信仰

 先日、ある会議で、『現代日本社会におけるSDA宣教の方向』としてご報告 をお聞きしました。興味深い内容でしたので、ここでご紹介させていただきます。

 四季おりおり豊かな自然にかこまれた日本。それによって2つの特徴が生まれ たようです。

1.多神教 豊かな自然により、自然の中に神々が住み、それぞれが、神々にな
  るという、多神教(八百万の神)信仰が生まれやすかった。

2.また、もとに戻る 春になり夏・秋・冬になり、また春が来るという四季の
  繰り返しにより、すべてのものは繰り返すという自然回帰性、やがてもとに
  戻るという楽観主義が生まれ、終末思想が生まれづらかった。

 また、日本人の特徴として、特に次の4つがあげられました。

1.妥協的 協調性がありますが、大勢順応主義である。

2.情緒的 感情的姿勢が強く、分類の精神が欠如している。

3.縦割り社会 一族郎党主義、集団的で自分の信念で歩む習慣が少ない。

4.現世主義 現実を受け入れ、自然を愛し、人間のありのままを愛し、愛情、
  寛容の精神が豊かである。反面、論理性、批判的精神が少なく、来世を意識
  した生き方が生まれづらい。

 以上の日本の風土また日本人の特徴から考えますと、キリスト教の普及が日本 において必ずしも容易ではないようです。一神教や終末思想がなじまない風土。 またまわりの人への配慮から、一人だけ違った宗教に入ること、またそれを維持 してゆくことはなかなか難しいようです。

 そこで、上の特徴を踏まえて、いくつかの伝道の提案がなされました。

1.「否定と排除」から「並存と選択」 パウロが異邦人伝道を成していったよ
  うに、日本の文化を安易に否定し、排除するのではなく、日本の慣習や規範
  の意味を明らかにして、その中の良きものに目を向けながら、さらにキリス
  ト教の有用さと価値を示してゆき、「さらに良いものを選択」していただく。

2.「豊かな感性を備えた教会」の実現 ものごとを、深め、高めてゆく感性と
  技術に関しては、日本人には優れたものがあります。教会の施設、集会のあ
  り方、人間関係、地域社会のあり方を高め、洗練させてゆくことができると
  思われます。日本の宗教性の深みを体験させる「聖なる雰囲気」「清らかさ」
  「黙祷」「瞑想」のときと空間を設けうる。

3.家の機能を強化する 家族が分散して、孤立化が深まっています。家がもっ
  ている本来の機能を生かして、冠婚葬祭、日常生活を支援できる教会。各家
  族を自立させ、健全な家族に向かわせるために支援できる教会にする。季節
  感を大切にして教会行事とする。

4.「お祭り」と季節を配慮する ユダヤ人は祭りを大切にしていました。教会
  においても、教会組織の日、バプテスマ、クリスマス、感謝祭、伝道講演会、
  誕生日、子どもの日、敬老の日、献児式、元旦礼拝、記念式、などを再献身
  の機会とする。
(by 藤田 昌孝)