希望に生かされる

 4月5日に長女がお世話になる広島三育学院中学校の入学式がありました。父 母の1人として私も列席させていただきました。その式で校長先生が、次のよう なお話をしてくださいました。

 昨年、東京大学社会科学研究所では「希望学プロジェクト」というユニークな 講座が開講され、インターネットを用いた「希望」についてのアンケート調査が 実施されたそうです。

 20代から40代の約900名からの回答が得られました。回収したアンケー トから大変興味深い結果が見えてきました。

 まず、わかったことは、小学校の頃に持っていた将来の希望については、ほと んどが実現していなかったということです。

 900名の回答者のうち、男性が小学校6年の時につきたかった職業の第一位 は、トラックや電車の運転手、パイロットなどの「運転」系。第二位は、スポー ツ選手、第三位は、警察官、消防官、自衛官などの「官」系。

 女性では、第一位が幼稚園の先生または保育士。第二位は、小学校、中学校、 高校の教師といった「先生」系。第三位が、小説家、作家、漫画家でした。

 しかし、そのうち、小さい頃希望していた仕事に実際についたのは、全体のわ ずか8%でした。子供の頃の希望がかなう人は極めて少ない、というのが現実ら しいのです。

 ところが、さらに興味深いことが調査の結果から分かりました。それは、小学 6年の時に、将来の希望をはっきりと持っていた人は、そのうち82%の人が、 今現在も、仕事や家庭に何か具体的な目標を持っていることがわかりました。

 反対に小学校6年の時に、目標がなかった人は、大人になった今でも、希望を 持って生きている人が少ない、ということが分かりました。

 つまり、たとえ、小さい頃の夢や希望がそのままかなわなかったとしても、希 望を持つことで、挫折や困難を乗り越えながら、次の希望を持つことのできる前 向きな人生を送る可能性が高くなるということらしいのです。

 さらに、もう1つ分かったことは、大人になってからも希望を持ち続けている 人は、小さい頃に家族から期待されていた人の割合が高いということ、そして「友 人が多い」と答えた人の割合が高いということでした。

 どうやら、両親や、友人たち、社会的な環境の中で「希望」は育まれてゆくら しいのです。

 聖書の中にも、「信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る」(气R リント13:13)という言葉があるように「希望」は「信仰」や「愛」のよう に大切にされ、いつまでも残るもの、とされています。

 そして、ローマ人への手紙15章13節にも次のような言葉があります。

「希望の源である神が、信仰によって得られるあらゆる喜びと平和とであなたが たを満たし、聖霊の力によって希望に満ちあふれさせてくださるように」。 両 親や友人たち、周囲との交わりの中で「希望」が育まれてゆくものであるならば、 神様と共に歩む者は、当然神様から「希望」が与えられます。 「あなたがたの うちに働きかけて、その願いを起させ、かつ実現に至らせるのは神であって、そ れは神のよしとされるところだからである」(ピリピ2:13口語訳)。

 このように、神様によって「希望」をいただき、その希望を実現に至らせてい ただく、そのことを神様は私たちに望んでおられるのです。
(by 藤田 昌孝)