繰り返し配列
先日、分子進化の研究をされてきた方から、私たちの体の細胞、その核の中に
あります「DNA」について興味深いお話を伺いました。
細胞は、私たちの体の最小の単位はですが、細胞の基本成分は蛋白質です。蛋
白質はアミノ酸が連なってできたものです。20種類もあるアミノ酸の組み合わ
せや数珠の長さによって様々な蛋白質がうまれます。
たとえば、肌の細胞、骨の細胞、それぞれの蛋白質はそれぞれ決められたアミ
ノ酸配列をもっています。このアミノ酸配列が一つでも狂ったり、欠けたりして
はなりません。
そこで肌は肌の蛋白質、骨には骨の蛋白質、の蛋白質が間違いなく出来上がる
ように、アミノ酸配列の設計図が必要です。それが細胞の核の中にある「DNA」
なのです。この「DNA」の設計図にしたがって、肌には肌の、骨には骨の蛋白
質が作られてゆくのです。
人間の場合、DNAは4種類の「塩基」「アデニン(A)」、「グアニン
(G)」、「シトシン(C)」、「チミン(T)」からできています。この「塩
基」が約30億個も連なって、二重らせん構造を作っています。
そこに3万種類以上もの蛋白質のアミノ酸配列を決定する設計図がしまわれて
いるのです。しかし、30億個も塩基が連なっているのに、実際に蛋白質の設計
図を持っているのは5〜10%であり、残りの大部分は何のために存在している
のか、全容は解明されていません。まるで暗号です。
しかし、この意味不明の塩基配列にも規則性があることもわかりました。蛋白
質の設計図を持つ領域の少し手前には必ず、まるで「もうすぐしたら、蛋白質の
設計図があますよ」と教えるかのような配列が見受けられるのです。
まずは単調で短いA,G,C,Tの配列(例:AAGCTATA)があります。
そしてその単純な配列のセットが少しだけ複雑になって、後ろに続きます(例:
TTTAAGCTATAAAA)。
そしてさらに複雑にした配列セットが並びます(例: TTTAAGCTAT
AAAA TTAAGCTATAAAA)。まるで、ハッセルベルのカノンのよ
うに単調はフレーズから、少しずつ複雑に変奏されてゆきます。
変奏されたフレーズは、さらに複雑さを加えてゆき、4つの塩基が壮大なメロ
ディーへと変化していきます。このような配列を「繰り返し配列」と呼んでいま
す。そして、このメロディーがまさに美しさの極みに達した瞬間、その次から、
蛋白質の設計図をもつDNA配列が始まるのです。
進化論がうたっているように、これらの配列がもし、偶然にできたとするなら
ば、30億個の配列がこのようなすばらしい機能的な配列になる確率は43,0
00,000,000分の1という天文学的な数字になります。
また、人間以外の生命にも人間と同じか、これより少ない塩基数のDNAがあ
りますの。すべての生物がともに存在する確率は、数万の生物との掛け合わせに
なりますので、どんな数字になるのか考えることすらできません。
お話下さった方が次のようにおっしゃっていました。
「蛋白質の誕生を祝福するかのようなこの繰り返し配列を見たとき、これが決し
て偶然に発生したのではなく、創造主が祝福と麗しさのうちにこの世のあらゆる
生命をお造りになられたと、私は信じずにはいられませんでした。
天の父が30兆個の細胞の機能や形態を無駄なく計算され、塩基の一つ一つを
DNAに配列されたと私は信じざるを得ませんでした。分子進化の世界で研究を
数年間続けましたが、ますます創造主の御業を見ることになったのでした」。
(by 藤田 昌孝)