希望の教会
先日、ある場所で、「21世紀の夢調査」((財)日本青少年研究所実施平成
11年)の資料が一部紹介されました。日・中・韓・米4カ国の中学生・高校生
それぞれ約2000人の比較を1998年11月から1999年2月にかけて行っ
た21世紀の夢についてのアンケート調査です。
それによりますと、
「人類にとって21世紀は希望のある社会になるだろう」という問いにイエスと
答えた中高生は、韓国で63%、中国で89%、米国で64%、日本では35%
でした。
「科学の進歩で人類はより幸福になるだろう」という問いに対してイエスと答え
た中高生は、韓国56%、中国84%、米国68%、日本は35%。
「国民生活は今より豊かになるであろう」という問いに対しては、韓国65%、
中国85%、米国78%、日本29%でした。
日本の中高生は他の3カ国に比べて将来に対して夢を持ちづらい、そのように
もとれます。
さらに、『素顔の十代』(読売新聞)から「中高生の生活と意識調査」(20
02年)の結果の一部も紹介されました。
「あなたは日本の将来は明るいと思いますか、暗いと思いますか」という問いに、
「どちらかといえば暗い」が47%、「暗い」が28%、全体の75%が消極的
でした。
「今の日本は努力すれば誰でも成功できる社会だと思いますか」という問いに、
「そう思わない」が75%でした。
「今の日本の政治家を信頼できますか」という問いに対しては、「どちらかとい
えば信頼できない」が36%、「信頼できない」が53%。全体の約90%が政
治家に対して否定的でした。
ここからも、日本の中高生が日本の将来や自分の将来に対してあまり希望を持
つことができないでいることがわかります。
理由は、いろいろと考えられます。
その中で、私自身が取り組むことのできる要因のひとつに、大人の影響がある
と思います。自分を含めた大人の姿を見ていて、若者たちはおよそ将来に対して
夢や希望を持ちづらくなっているのではないかと思うのです。
彼らの周りに、夢を与えるモデル(大人)が少なくなっているのではないか、
と思えるのです。
格差社会の始まりに、翻弄される中高年。入社して数年経て、既にあきらめムー
ドになる20代30代の若者たち。その頃になりますと、将来が約束された限ら
れた少数グループができあがります。
後のグループは多少の昇進はあるものの、定年を迎える前に減俸。リストラの
危険。退職を促すような厳しい仕事を押し付けられる人も珍しくありません。老
後の保障は失われ、社会的地位や名誉による満足感、自分の技術を活かす充実感
を得られないまま将来に対して失望を覚える20代30代の成人が増えています。
中高生だけが将来に希望を持てないでいるわけではありません。実は大人たち
が夢や希望を失っているのです。
その中で私たち教会は何ができるでしょうか?もし、私たち教会が若者たちに
夢と希望、将来のヴィジョンを与えることができたらどんなに素晴らしいことで
しょう。
神様を勘定に入れた生活の素晴らしさ、人格の改変、神様の原則に生かされて
ゆく晴れ晴れしさ、他者の幸福へ貢献してゆこうとする家庭と社会に開かれた生
き方。何になっても、ならなくとも、主にある生きる喜びと力強さがそこにあり
ます。
そのような生き方の魅力を教会が与えることができたなら。そのためには言葉
だけでは力がありません。実例を必要としています。
「俺のおかんはちょっと違うで」「俺の親父はすっかり変えられた。すごい生き
方している」「あの教会のおばさん、おじさん、すごい!淡々と肩の力抜いてい
ながらすごい事してる」「俺もあんなになりたい!」。
無理して、片意地はっての変革ではなく、主の前にへりくだって主に生かされ
る中での本物の変革、御言葉による変革を味わい知る本物の大人の存在が必要な
のだと思います。
(by 藤田 昌孝)