ポジティブ・イリュージョン
毎日新聞の「余録」に「ポジティブ・イリュージョン」という言葉が紹介され
ていました。次のような内容です。
心理学に「ポジティブ・イリュージョン」という言葉がある。直訳すれば「肯
定的、積極的な錯覚」という意味だが、手品の話ではない。人の自分についての
イメージのことである。実像より自分を良く評価する人間心理の傾向をこう呼ん
でいるのだ。
米国のある心理学者によると、人が元気よく生きられるのはこの楽観的な自己
欺瞞(ぎまん)のおかげだそうだ。どうも人が前のめりに生きてゆくには、事実
通りの認識よりバラ色の幻想が役立つらしい。なるほど何人かの元気な知人の顔
も思い浮かぶ。
ところで日本人は米国人などに比べ、ポジティブ・イリュージョンに乏しく、
自分に厳しいイメージを抱きがちだといわれる。・・・(毎日新聞 2008年
6月20日朝刊)。
自分についての積極的な錯覚、「ポジティブ・イリュージョン」。なるほど人
は自分について、錯覚をします。たしかに本当の姿より良く評価する傾向にある
と思います。うなずけます。
私などはよく自分の写っている写真を見て、身体の太り具合に愕然とすること
があります。鏡で見る時はそれほどでもないのに・・・写真は嘘をつきません。
おそらく、鏡で自分の姿を見る時には、この「ポジティブ・イリュージョン」が
働いているのでしょう。
少し痩せぎみに見えるのです。視覚から入った映像が、頭の中で改ざんされて
いるのです。なんとも自分本位な、そして見事なまでの「ポジティブ・イリュー
ジョン」!!
しかしこの楽観的な自己欺瞞、自分に対する勘違いのおかげで私もこうして元
気に生きていられるというわけなのでしょうか。
ところが、残念なことに、神様はこの「ポジティブ・イリュージョン」をいつ
までも許してはくれません。私自身の本当の姿を時にかなって示されるのです。
聖書の言葉を通して、聖霊の神様を通して、またいろいろな試練や経験を通し
て、私自身の真の姿をお見せくださるのです。自分自身を知るということ、それ
は多くの場合、辛い経験です。
では、クリスチャンは前向きに、元気よく生きてゆくことができないのでしょ
うか?使徒パウロの言葉を聴いてください。
「人は皆、罪を犯して神の栄光を受けられなくなっていますが、ただキリスト・
イエスによる贖いの業を通して、神の恵みにより無償で義とされるのです」(ロー
マ3:23、24)。
この言葉には少なくとも三つの意味がこめられています。
1.私たちの本当の姿
私たちは皆、自力では神様の栄光を受けられなくなっています。
2.神様の愛
神様は、独り子イエス様の命をかけて栄光を受けられなくなった私たちを愛
されました。
3.恵みによって義とされる
私たちは、自分の資格によってではなく、神様の赦しとお力と十字架のみわ
ざによって天国の家族とされました。そればかりではありません。この世に
あってはイエス様に似る者と成長させてくださいます。
そして隣人と、この祝福と分かち合うことがゆるされています。私たちは自分
の賜物を活かして主のお働きに用いられるのです。
神様から与えられている命がけの愛とゆるし、そして神様から与えられている
使命を受けて、私たちは元気に、それこそ前向きに生きてゆくことができるので
す。
(by 藤田 昌孝)