「貪欲を警戒せよ」
お元気ですか? 明智信作です。あるとき、キリストのもとへ遺産相続の問題
をかかえている人がやってきて、「先生、わたしの兄弟に、遺産を分けてくれる
ようにおっしゃってください。」と頼みました。その時、キリストは、自分はあ
なた方の裁判人でも分配人でもない、と返事されたあとで、「あらゆる貪欲に対
してよくよく警戒しなさい。たといたくさんの物を持っていても、人のいのちは、
持ち物にはよらないのである」とお話になりました。それから一つのたとえ話を
されます。「ある金持ちの畑が豊作であった。そこで彼は心の中で『どうしよう
か、わたしの作物をしまっておく所がないのだが』と思いめぐらして言った、『
こうしよう。わたしの倉を取りこわし、もっと大きいのを建てて、そこに穀物や
食糧を全部しまい込もう。そして自分の魂に言おう。魂よ、おまえには長年分の
食糧がたくさんたくわえてある。さあ安心せよ、食え、飲め、楽しめ。』すると
神が彼に言われた、『愚かな者よ、あなたの魂は今夜のうちにも取り去られるで
あろう。そしたら、あなたが用意した物は、だれのものになるのか』自分のため
に宝を積んで神に対して富まない者は、これと同じである。」 この金持ちは、
自分の老後に備えて準備をした賢い人でした。しかし、神は、彼を「愚かな者」
と呼ばれます。彼は、自分の人生の計画の中に神を考慮に入れる事を忘れていま
した。自分の命を支配しておられる神をぬきにして、いつまでも自分の人生が続
くかのように錯覚していました。そして、豊作の祝福に対して、神に感謝せず、
また一生懸命働いてくれた使用人にその富を分配する事も考えず、ひたすら自分
だけの楽しみの為に貪欲にたくわえようとしたのです。彼のこの自己中心的な貪
欲がさばかれたのです。彼は、老後の蓄えが十分できて、もう安心と思ったので
すが、その日の内に突然、死が訪れるのです。キリストは、わたしたちが、神を
忘れ、貪欲に支配されて、偽りの安心に陥らないように、警告を与えておられま
す。気をつけましょう。
(by 明智信作)