「神様のご親切の生き証人」


 お元気ですか、明智信作です。マザー・テレサはこのように語っておられます。


「親切で、慈しみ深くありなさい。あなたに出会った人がだれでも、まえよりも 

 もっと気持ちよく、明るくなって帰るようになさい。神様のご親切の生きたし 

 るしとなりなさい。親切があなたの表情に、まなざしに、ほほえみに、温かく 

 声をかける言葉に表れるように。・・・子供にも、貧しい人にも、苦しんでい 

 る孤独な人すべてに、いつでも喜びにあふれた笑顔を向けなさい。世話するだ 

 けでなく、あなたの心を与えなさい。」                  


 三浦綾子さんが、結核である病院に入院した時、そこで睦子という名の女性に 

興味をもちました。なぜなら、同室の患者達が、「ちょっと、睦子さんの所に行 

ってくるわ」とよく言ったからです。看護婦達も、他の部屋から来る患者も、ま 

た男の患者さえも、何かにつけて「睦子さん」という名を口にしたからです。い 

ったい睦子さんてどんな人でしょうか? ある時、彼女を訪ねる機会が与えられ 

ました。彼女の部屋は個室でした。いわゆる美人でもなく、重いカリエスで、1 

0年もギプスベッドに寝たっきりの方でした。35、6歳位にみえる方でした。 

彼女は初めて訪れた三浦さんに手を差し伸べて、にっこりと笑いました。「よう 

こそ、あなたはどこがお悪いの」心にしみる、なんとも言えない優しい笑顔でし 

た。顔が輝いていました。それは単なる美人よりも、魅力的な美しさでした。  

「治るわよ、きっと治るわよ」睦子さんは、自分の病気のことより、相手の病状 

を気遣いました。会っただけで、こちらの気持ちがほぐされ、何か楽しくすらな 

った・・・。なんとやさしい笑顔の人だろう。三浦さんは、睦子さんのまなざし 

が、だれに対しても、いつくしみがこもっているのに驚きました。「それはいい 

加減な甘やかしの笑顔ではない。長い間、悲しみ、苦しんだ人のみが持つ慈しみ 

の笑顔だった」と三浦綾子さんは書いています。彼女がそこにいる、それだけで、

人々が慰められる、すばらしいですね。                   

                             (by 明智信作)